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新年あいさつ(2014)

                                     鶯谷中学・高等学校

                                          校長 小邑政明

 生徒の皆さん、職員の皆さん、あけましておめでとうございます。  新年にあたり、年頭のあいさつをさせていただきます。

 

 ところで皆さんは十二支を言えますか。毎年、12の動物、ネズミ、牛、虎、うさぎ、龍、蛇、馬、羊、猿、鳥、犬、猪が割り当てられていてこれを十二支といいます。本年は馬年であります。

 

 十二支のいわれについて興味のある人は自分で調べていただくことにして、今日は、1977年1月2日に放送された日本昔話「十二支の由来」を紹介し、なぜ、私たちが親しみをもっている猫と亀が含まれていないのかについて、先人の知恵にふれてみたいと思います。

 

 大昔の話。神様が「一月一日の朝、一番から十二番目までに来たものを一年交替で動物の大将にする。」という手紙を書きました。それを受け取った全国の動物たちは、自分が一番になろうと翌朝まだ暗いうちから一斉にスタートしました。でも、猫だけは「一月二日の朝」とネズミから聞いていたので出発しませんでした。犬と猿は最初は仲良く並んで走っていたのですが、そのうち必死になってしまい、とうとう丸木橋の上で大げんかを始めました。

 

 いよいよ新しい年の太陽が昇ったとき、前日の夕方から出発した牛が一番に現れました。しかし、牛の背中に乗っていたネズミが「神様、新年おめでとうございまチュウ」と牛の背中からピョンと飛び降り神様の前に走って行きました。そのため、一番はネズミになってしまったので、牛は「モウモウ」と悔しがりました。

 

 続いて虎が到着し、そしてウサギ、龍がやってきました。こうして次々に動物たちが到着し、蛇、馬、羊、猿、鳥、犬、猪、カエルの順番となりました。13番目になってしまったカエルは、がっかりして「もうカエル」といって帰って行きました。

 

 さて、神様と十二支たちの酒盛りが始まりましたが、犬と猿はまだ喧嘩をしています。そこへ、すごい剣幕で猫が現れ、ネズミを追いかけ回しました。今でも、猫はネズミを追いかけていて、犬と猿は「犬猿の仲」となっています。

 

 これで、猫がふくまれていない理由が分かりましたが、亀は分かりません、なぜでしょう。

 

 そこで、私は次のように考えました。もともと足がおそい亀は、自分の持ち味は一歩一歩着実に目標に向かって進むことができることであって、人と競争することではなく、まして動物の大将になることなぞ望んでいなかったのではないか。すなわち、亀はナンバーワンではなくオンリーワンを目指したのではないか。

 

 この思いのヒントになったのは、本校の東タワー校舎の入り口の横にある石碑に刻まれた「志・一歩・一歩」という言葉です。さらに、最初の一歩の字より次の一歩の字がわずかに上に書かれていて、少しずつ前に進むことの大切さが伝わってきます。一歩・一歩ならだれでもできる、一歩・一歩だから確実に進める、一歩・一歩だから夢がふくらんでいく、皆さんそう思いませんか。

 

 生徒の皆さん、職員の皆さん、今年は、この石碑を眺めながら、 それぞれの志に向かって一歩・一歩前に進んで行きましょう。  亀のように、ナンバーワンよりオンリーワンを目指して。

 

 最後に、本年が皆さんを含め世界中の人々にとってよい年でありますよう祈願し、新年のあいさつとします。